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ARTICLESLGBTQ+やジェンダーレス関係の記事をお届け!

「音楽と多様性」というテーマについて語る前に、自己紹介をしたいと思います。
僕はLGBTQのなかでいうと、「T」のトランスジェンダーです。 

戸籍上は女性ですが、普段は男性として仕事をしており、モデルやベーシストとして活動しております。

 

それでは、本題に入りましょう。

今は「サブスクリプション(サブスク)」サービスの普及によって、気軽に音楽が聞ける時代になっています。

いつでも音楽が聞き放題で、どこかの誰かが作った「このアーティストだったらこれを聞け!」というアルバムを聞いたり、シャッフル機能を使ったりすれば、これまで知らなかったアーティストや曲に出会うことができます。

 

新たな曲を発掘するという点で、かなり便利にシステム化されています。

市場では、イントロをなくしてド頭からいきなりサビがくる曲や曲の長さを短くして飽きのこないようにした曲など、キャッチーさを求める聞き手に合わせた作り手が多くなってきたように思います。

 

僕自身、J-POPも好きだし、キャッチーな曲や流行りの曲は大好きです。
しかし恩師からは、「流行りばかりをおいかけずに、ルーツを知り、本物を知って理解しないと」と言われ、過去にさかのぼって音楽の勉強をしてみると、色褪せない楽曲というものはたくさんあり、「この作品たちがなければ今の音楽がなかったのであろう」と考えることがあります。

 

「音楽と多様性?」

「どこに繋がりが?」

そう思うかもしれません。

 

ですが僕は、音楽が多様性を尊重する時代を象徴しているといっても過言ではないと思うのです。

 

先程お話した、「イントロをなくして頭からサビをもってくる」ということは、聴いた瞬間に「こういう歌です!」と知ってもらえるように、わかりやすさ、理解しやすさを重視して誰もが聞きやすいように工夫しています。

わかってほしいという意味では、LGBTQや、多様性な方々が力を合わせて伝えたいメッセージを発信する際の工夫と通ずると思います。

 

そのおかげで近年、テレビでは「マイノリティ」という言葉が広がり、理解してくれる社会になりつつあるのではないか?と考えています。

 

僕がリスペクトしているニルヴァーナの曲『カート・コバーン』は怒りという感情からうみだされ、その破壊的な作品に僕はひかれました。

彼は「同性愛を差別しているやつは俺の音楽を聞くな」とも発言しており、当時LGBTへの発言がタブーとされていた音楽シーンを変えていきました。

フェミニズムやLGBTの人権を尊重して代弁してくれる彼の音楽からは、仲間はいるんだという希望が伝わってきます。

 

「LGBTQ」としてカテゴリーわけをされていることで、そうでない人からはどこか他人事として捉えられることもあります。

ですが、「LGBTQ」というカテゴリーはどこかの誰かがわけただけであり、セクシュアリティ問わず、皆同じ人間です。

 

まわりの音に耳をすましてみてください。

音楽とはどこにでもあり、生活しているなかで聞こえてくるものです。

あなたにとって聞こえてくるものはどんな音でしょう?

自然が好きなひとは風の音かもしれません。

街中が好きなひとは信号の音、電車の音。

その人によって今聞こえている音が違う。

身近に音楽が生きているようにわたしたちも生きている。

音楽と多様性。

繋がるものがある。