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ARTICLESLGBTQ+やジェンダーレス関係の記事をお届け!

私は生まれた時から、生物学上でも心でも男性。

そんな私が初めて「その他」という性別を意識したのは、大学時代だった。

 

その当時、学園祭の実行委員をしており、来場者アンケートを目にする機会があった。

そのアンケートの性別欄には「その他」という項目があったことから、「男性・女性」以外の「その他」の性別を意識するようになった。

 

私は社会学部で、ジェンダーに関する授業を受けており、少なからずセクシャルマイノリティに関心があった。

現実としてそういう方がいるということは授業ないしは一般常識の範囲で知ってはいた。

ただ、実際にそういう方にお会いしたことは無かったので、意識することはなかった。

アンケートの結果でも、「その他」と答えている方はごく少数であった。

 

しかし、そのアンケートを目にしたことがきっかけで、「その他」という性別への関心は深くなっていった。

ジェンダーに関する授業以外で印象に残っている授業がある。それは、メディアリテラシーについて学ぶ授業だ。

公共広告のポスターを自分でデザインし、それを見せ合うという時間があった。

 

優秀作品に選ばれたのは、トイレのマークに関する広告だった。それは、男性のマークが赤色、女性のマークが青色になっているという、一般的なデザインとは逆のもの。

そして、「当たり前を疑ってみませんか」というキャッチコピーがあった。

 

このポスターはトイレのマークのデザインを例にとって、男性と女性という性別によって分けられるものに対して疑問を投げかけていた(作者は性別だけでなく世の中のありとあらゆるデザインに対しても疑問を投げかけていたと記憶している)。

 

これを見て、「世の中には男性と女性という2つの性別しかない」という当たり前を疑い、さらに「その他」という性別を意識したのは言うまでもない。

 

 

その後も私は男性として生きているが、大学を卒業して3年が経ったある日、女装ができるクラブに行き、かねてより興味があった、女装をしてみることになった。

いわゆる男の娘。先のアンケートの欄では「その他」という分類になるだろうか。

 

そこで、出会った方々は、普段から女装を楽しんでいる方やゲイ、バイセクシャルやトランスジェンダーといった数多くの「その他」の方々。

大学という狭いコミュニティでは、会うことのない方とお話して、こんなにも数多くかつ様々な種類の「その他」の方がいらっしゃることに感銘を受けて、自分の世界が広がったような気がした。

 

あまりにもセクシャルマイノリティの種類が多すぎるため、「その他」という分類しかできないかもしれないが、そういった方々がもっと自認し、オープンにして、それを受け入れられる世の中になっていくことが一番ではないか。

 

そうなれば、先のアンケートでも「その他」を答える人も増えるかもしれない。

 

ちなみに、私が行ったクラブのトイレのマークは女性用のものだけだった。